開発
AEO(AI Engine Optimization)やLLMO(大規模言語モデル最適化)への対策が注目される中、以前からある「構造化マークアップ」が再び脚光を浴びています。
「え〜、今さら構造化マークアップ?」と思われるかもしれません。
でも、結論から言ってしまうと、それにはちゃーんと理由があるんです!
構造化マークアップは、AI(LLM)にとって、あなたのWebサイトの情報を「最も正確」かつ「最も効率的」に理解するための『公式ガイドブック』のような役割を果たすからなんですね。
AIが検索エンジンの「回答」を自動でパッと作っちゃう時代、この「公式ガイドブック」をAIに渡しておくことが、他のサイトとの決定的な差を生むかもしれません!
この記事では、以下の2点をできるだけわかりやすく解説していきます!
従来のSEOとAEO/LLMOって何が違うの?
なぜ構造化データがAIの「回答生成」にとってそんなに大事なの?
- 1. そもそも「構造化マークアップ」って何だっけ?
- これまではどんな用途だったの?
- 2. 「探す」SEOから「回答する」AEO/LLMOへ
- 従来のSEO(検索エンジン最適化)
- AEO/LLMO(AI回答エンジン最適化)
- 3. AIは「普通の文章」を読むのが苦手…ってホント!?
- AIにとっての「わかりにくい情報」って?
- 4. AIのための「公式ガイドブック」=構造化マークアップ
- …でも、「GPTは構造化データを読んでない」って話もあるんじゃ?
- Googleも「ちゃんと理解したい!」と求めている
- 5. 実際やってみて、どのくらい効果があるの?
- ちゃんとやれば、結果はついてくる!
- まずは「現状把握」から。あなたのサイトはどうなってますか?
- 6. なぜ「今」再注目されているのか?(まとめ)
- まずは「AIにこれだけは伝わってほしい!」を整理してみませんか?
1. そもそも「構造化マークアップ」って何だっけ?
「(再注目って言われても、そもそも構造化マークアップって何だっけ…?)」
という方のために、簡単におさらいしましょう!
すごくシンプルに言えば、構造化マークアップとは、
Webページの「裏側」で、AIや検索エンジンに「この情報の意味はこれですよ!」とこっそり教えてあげるための「特別なラベル(タグ)」のことです。
例えば、ページに「10,000円」と書いてあるとします。
人間は「あ、価格だな」とわかりますが、AIは「単なる数字の羅列」としか認識しないかもしれません。
そこで、この「10,000円」という数字の裏側に、
"price": "10000"
という「これは価格ですよ!」というラベル(構造化マークアップ)を付けてあげるんです。
これがAIにとっての「意味」になります。
これまではどんな用途だったの?
これまでのSEO(従来の検索)でも、構造化マークアップは活躍していました。
主な用途は、検索結果の表示を「リッチ(豪華)」にするためです。
レシピサイト: 検索結果に「調理時間」や「カロリー」、「星評価(レビュー)」を表示する
求人サイト: 検索結果に「給与」や「勤務地」を表示する
イベントページ: 検索結果に「開催日」を表示する

これらは全部、構造化マークアップのおかげ(=AIが情報の意味を理解してくれたおかげ)なんです。
そしてAEO/LLMOの時代では、検索結果にリッチに表示される(リッチリザルト)ためだけじゃなく、AIが生成する「回答そのもの」の材料になるという、もっともっと大事な役割に変わってきた!というわけなんですね。
2. 「探す」SEOから「回答する」AEO/LLMOへ
まず、私たちが向き合う「検索」の形が、ここ最近でガラッと変わってきた!というおさらいからいきましょう。
従来のSEO(検索エンジン最適化)
これまでのSEOって、ユーザーが何かを検索した時にズラッと表示される「10個の青いリンク(検索結果一覧)」の中で、いかに上に行くか!を競う戦いでした。

ユーザーは、その一覧から「これが答えかな?」と思うサイトのリンクをクリックして、自分でサイトを読んで情報を探していました。
AEO/LLMO(AI回答エンジン最適化)
では、AIが答えを教えてくれる新しい検索は何が違うんでしょうか?
ユーザーが検索すると、AI(LLM)が複数のWebサイトの情報を自動的に読み込んで、要約して、検索結果のいっちばん上(!)に「答えはこれです」と回答そのものを生成して提示します。

これって、私たちWeb担当者にとっては、戦いのルールが根本から変わった!ということなんです。
目標は「リンク一覧の上位」から、「AIが作る回答の中に、自分の情報をいかに的確に含めてもらうか?」にシフトしているんですね。
3. AIは「普通の文章」を読むのが苦手…ってホント!?
ここで、こんな疑問が浮かびませんか?
「いやいや、AIってすごく賢いんでしょ? サイトの文章をそのまま読めば、勝手にうまいこと理解して回答に使ってくれるんじゃないの? わざわざ『構造化』なんて面倒なことしなくても、従来のSEOみたいに『良い記事』を書いておけば、AIもちゃんと賢く読んでくれるでしょ?」
うーん、それは半分正解で、半分間違いなんです!
AI(LLM)は確かに賢いですが、Webサイトに書かれている「普通の文章(非構造化データ)」から情報を100%正確に抜き出すのは簡単ではないんですね。
AIにとってさえ結構コストがかかる作業ですし、時には情報を読み間違えることだってあるんです。(これが、AIがたまに嘘をつく「ハルシネーション」の原因の一つですね)
AIにとっての「わかりにくい情報」って?
例えば、あなたのサイトにこんな文章があったとします。
「おかげさまで大人気の〇〇セミナーの次回の講師は、この道20年のベテランで、当社のCEOでもあります、山田太郎です。次回は来週月曜、東京の本社ビルで開催いたします。」
私たち人間は「なるほど、来週月曜に山田CEOのセミナーがあるんだな」と文脈で理解できます。
しかし、AIは私たち人間と違って『行間』を読むのが苦手。 AIがこの文章をプログラムとして解釈しようとすると、こんな風に「迷い」や「混乱」が生まれてしまう可能性があるんです。
うーん、『大人気』はイベント名に含めるべきか?
『この道20年』…これは…開催時間? いや違うな。じゃあ重要な情報ではない?
『来週月曜』って、カレンダー情報と紐づいてないから具体的な日付が分からない!
『本社ビル』の住所が書いてないから場所が特定できない!
AIがこれらの情報を読み間違えたら…?
もちろん、AIが生成する「回答」も間違ったものになってしまいます!
4. AIのための「公式ガイドブック」=構造化マークアップ
そこで登場するのが、今回の主役「構造化マークアップ」です!
構造化マークアップとは、Webページの見た目(人間向け)は変えずに、裏側でAI(検索エンジン)に対して「この情報の意味はこれですよー!」とラベル付け(タグ付け)をしてあげる技術なんですね。
先ほどの例を、構造化マークアップ(イベント情報用)を使ってAIに伝えると、こんな感じになります。
※わかりやすくするために、実際の構造化マークアップとは多少違っています。
どうでしょう?
AIは普通の文章を「うーん、これはどういう意味だろう…?」と苦労して「解釈」する代わりに、この「ラベル付けされた情報(構造化データ)」を見るだけで即座に、かつ正確に情報を理解できるんです。
これこそが、AIにとっての「公式ガイドブック」なんですね!

…でも、「GPTは構造化データを読んでない」って話もあるんじゃ?
ここで、AEO/LLMOの情報に詳しい方なら、こんな疑問を持つかもしれません。
「ちょっと待って! 最近、『GPTBot(ChatGPTのクローラー)は、構造化マークアップを読んでいない』っていう分析結果を見たよ?」と。
その指摘、半分は事実なんです!
実は、Googlebot(Googleのクローラー)と違って、GPTBotのような多くのAIクローラーは、JavaScriptの実行(レンダリング)が苦手だと考えられています。
どういうことかと言うと…
もし、あなたのサイトが構造化マークアップ(JSON-LD)を、GTM(Googleタグマネージャー)などを使って「後から動的に(JavaScriptで)」ページに挿入している場合。
JavaScriptを実行できないAIクローラーは、その「後から挿入された」構造化マークアップを見つけることができず、結果として「読んでいない」状態になってしまうんです。
この技術的な問題については、実際にGPTのソースコードを解析した、以下のような専門家のレポートも出ています。
出典: note「AIは構造化マークアップを見ていない?GPTのソースコード解析で判明した事実とは?」
URL: https://note.com/seolabochannel/n/n62397e739a98
じゃあ、やっぱり意味ないの? → いいえ、だからこそ重要です!
「それなら、やっぱり構造化マークアップは意味がないんじゃ?」いえ、逆なんです!
この議論から私たちが学ぶべきことは、「AEO/LLMO対策は、AIクローラーが読みやすい形で実装しなきゃダメ!」ということです。
GoogleのAI検索は(今まさに)参照している:
まず大前提として、GoogleのAI検索(AIオーバービューなど)は、構造化データを明確に参照しています。Google自身が「理解するために必要だ」と公言していますよね。GPTも「読める形」なら読む:
GPTBotが「読んでいない」のは、JSで動的に挿入された「読みにくい」データの場合です。
最初からHTMLのソースコードに(サーバーサイドで)直接書き込んでおけば、JSが実行できないクローラーでも問題なく読み取ることができます。
つまり結論は、
「AEO/LLMO対策として、構造化マークアップは超重要。ただし、GoogleだけでなくGPTのようなAIにもちゃんと読んでもらうために、GTMなどで動的に挿入するのではなく、HTMLソースに直接(静的に)記述する方式で実装しよう!」
…ということなんです。
この「AIクローラーにどう読ませるか?」という視点こそが、これからのAEO/LLMO対策のキモになってくるんですね。
Googleも「ちゃんと理解したい!」と求めている
この「構造化マークアップによって、AI(検索エンジン)がWebページを理解するのを助ける」という考え方は、Googleがずーっと前から一貫して持ち続けているものです。
Google 検索セントラル(Googleの公式な情報源)にも、構造化データについてこんな風に書かれています。
Google は、Google 検索がページのコンテンツを正確に理解するよう努めています。構造化データを使用してページの意図を伝えると、Google はそのページをより正確に理解できるようになります。
出典: Google 検索セントラル「Google 検索における構造化データのマークアップの概要」
URL: https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/intro-structured-data?hl=ja
AEO/LLMOの時代において、この「より深く理解してもらう」ことの重要性が、かつてないほど高まっている!というわけです。
5. 実際やってみて、どのくらい効果があるの?
「とはいえ、そんなに頑張ってAIのためにラベル付け(構造化)して、本当に意味があるの?」と思いますよね。
もちろん、意味があります!
Googleは、構造化マークアップを実装することで検索パフォーマンスが向上した事例(ケーススタディ)を公式に紹介しています。
ちゃんとやれば、結果はついてくる!
例えば、イベントチケット販売の Eventbrite(イベントブライト)社は、Event(イベント)の構造化マークアップをGoogleの推奨に沿って実装し直しました。
その結果、Google検索からのトラフィックが前年比で約100%(つまり2倍!)も増加したと報告されています。
出典: Google 検索セントラル「Eventbrite が Google イベント検索でトラフィックを 100% 増加させた方法」
URL: https://developers.google.com/search/case-studies/eventbrite-case-study?hl=ja
これは、AI(Google)が「イベント情報(いつ、どこで、何を)」を正確に理解してくれたおかげで、イベントを探しているユーザーに的確に情報を届けられた、という素晴らしい実例です。
AEO/LLMOの「回答生成」は、まさにこの「AIによる正確な理解」が核となります。だからこそ、AIに「公式ガイドブック」を渡しておくことが、将来の大きな成果に繋がるんですね!
まずは「現状把握」から。あなたのサイトはどうなってますか?
「じゃあ、うちのサイトって、今どうなってるの? ちゃんとAIに情報伝わってる?」
そう思ったら、まずは「現状把握」から始めましょう。
あなたのサイトに実装されている構造化マークアップを検証できる無料ツールがあります。目的に合わせて使い分けるのがおすすめです!
1. Schema Markup Validator (スキーマ マークアップ検証ツール)
こちらが、まさに「構造化マークアップの構文として正しいか」「どんなデータが実装されているか」を純粋に検証するためのツールです。
ツール名: Schema Markup Validator
URLを入力すると、そのページに実装されているすべてのSchema.orgマークアップを抽出し、構文エラー(プロパティ名のスペルミス、必須項目の漏れなど)がないかをチェックしてくれます。
「リッチリザルト対象かどうか」に関わらず、AIに伝えるべき「情報そのもの」が正しく記述できているかを確認できます。AEO/LLMO対策の技術的なチェックにはもってこいのツールです!

2. リッチリザルト テスト
一方こちらは、その構造化マークアップが、Googleの検索結果(リッチリザルト)に反映される対象かどうかをチェックするためのGoogle公式ツールです。
ツール名: リッチリザルト テスト
AEO/LLMO対策において、GoogleのAI検索(AIオーバービューなど)が参照するのは、まさにこの「Googleがリッチリザルトとして認識できるデータ」が中心になると考えられます。
まずは「構文チェック(Validator)」で間違いがないかを確認した上で、この「リッチリザルトテスト」も使って、「そもそもGoogleがAI検索で使いたいデータとして認識してくれているか?」を確認するのが、確実な進め方ですね!
6. なぜ「今」再注目されているのか?(まとめ)
構造化マークアップがAEO/LLMOで再注目されている理由は、AIによる「回答生成」の2つの側面(正確性と効率性)に、めちゃくちゃ貢献するからなんですね!
1. 回答の「正確性」をガッチリ担保するため!
検索エンジンがAIによる回答で一番恐れていること…それは「間違い(ハルシネーション)」です。
構造化データは、「イベントの日時は〇月〇日です!」「製品の価格はXX円です!」という揺るぎない事実(ファクト)をAIにビシッと提供します。AIは、曖昧な文章から「たぶんこうかな?」と推測するよりも、この明確な事実を優先して回答を作るようになります。
2. 回答の「効率性」を爆アゲするため!
考えてみてください。AIが世界中のWebサイトの「普通の文章」をぜーんぶ読み込んで、理解して、要約するのって、ものすごい計算コスト(=時間とお金)がかかりそうですよね?
構造化データは、AIにとって「はい、要点まとめといたよ!」という目次やまとめのようなものです。AIはWebサイトの情報を低コストで効率的に集められ、その分、より速く、より多くの情報を回答に反映できるようになるんです。
まずは「AIにこれだけは伝わってほしい!」を整理してみませんか?
AEO/LLMO時代において、構造化マークアップは、もはや単なるSEOテクニックではなく、自社の情報をAIに正しく、効率的に伝えるための「AIコミュニケーション戦略」そのものと言えます。
もしAIがあなたのサイトについて「回答」を生成するとしたら…。
あなたはAIにどんな情報を参照してほしいですか?
まずは自社サイトの中で「これだけはAIに絶対に正確に伝わってほしい!」と強く思う情報(会社概要、製品スペック、イベント情報、専門家の知見など)が何かを整理することから始めてみてはいかがでしょうか?
記事を書いた人
AEO(Answer Engine Optimization)に関する調査・分析・実験を行い、その成果を一次情報として公開する編集チームです。
AI検索や生成AIが参照する情報の傾向、Webサイトの構造やコンテンツがどのように扱われるかといったテーマを中心に、継続的な検証を行っています。
調査結果やログデータ、検証プロセスを整理し、AEOの理解に必要な情報を正確にお伝えすることを目的としています。
企業の情報がAIに正しく届くために役立つ知見を、客観的な視点で発信してまいります。


