本日の朝礼
はじめに
2025年12月2日、OpenAIのサム・アルトマンCEOが社内で「コードレッド(非常事態)」を宣言したというニュースが報じられました。GoogleのGeminiが急成長しており、ChatGPTの改良に全社リソースを集中させるという内容です。
bonの朝礼では、このニュースをきっかけに「GPTとGeminiの競争が激化する中、LLM対策はどちらを優先すべきか」について議論しました。今回はその内容をまとめます。
OpenAI「コードレッド」宣言の概要
報道によると、アルトマンCEOは12月1日に社内メモを送り、ChatGPTの改良に「総動員」で取り組むよう指示しました。
改良の対象として挙げられているのは以下の点です。
回答速度と信頼性の向上
パーソナライゼーション機能の強化
より幅広い質問に答えられるようにする
この「コードレッド」宣言により、広告機能の導入、健康・ショッピング向けAIエージェント、パーソナルアシスタント「Pulse」などの開発は後回しになるとのことです。
背景には、Googleが11月に発表したGemini 3が業界ベンチマークでChatGPTを上回る評価を得たことがあります。アルトマンCEO自身も、GoogleのAI開発の猛追がOpenAIに経済的な逆風をもたらす可能性があると社内で警告していたと報じられています。
GPTとGeminiの市場シェア
現時点での市場シェアを見ると、ChatGPTが依然として優位です。
ChatGPT:週8億人以上のユーザー、AIアシスタント市場の約70%を占める
Gemini:月間アクティブユーザーが7月の4.5億人から10月には6.5億人に増加
ChatGPTが約82%のシェアを持つという調査データもあり、現状ではGPTが圧倒的です。ただし、Geminiの成長スピードは速く、今後の勢力図が変わる可能性は十分にあります。
GPTとGeminiが参照する情報の違い
朝礼では、GPTとGeminiが参照する情報に違いがあるのではないかという話題が出ました。
社内で調べた限りでは、明確なソースは見つかっていませんが、以下のような傾向があるのではないかと議論しました。
GPTが重視する傾向
独自情報(自社のサービス紹介、実績など)
専門性の高いコンテンツ
一次情報
Geminiが重視する傾向
構造化データ(FAQ、内部リンクなど)
サイト構造の整理されたコンテンツ
また、使い勝手の面でも違いがあります。GPTはプロンプトが少なくても意図を汲み取った回答を返す傾向がある一方、Geminiはプロンプトを細かく指定すると精度が上がるという印象があります。最近のGemini 3.0のアップデートで、GPTに近づいてきたという意見もありました。
検索行動の変化:Google検索とLLMの使い分け
もう一つの論点として、「ユーザーはGoogle検索とLLMをどう使い分けているのか」という話題が出ました。
現状の傾向として考えられるのは以下の点です。
LLMに移行しているクエリ
質問形式の検索(ノークエリ)
「いい電化製品のメーカーを教えて」「この製品とあの製品どっちがいい?」といった比較・相談系
Google検索に残るクエリ
指名検索(「ソニー」で検索してソニーのサイトに行くなど)
特定のサイトにアクセスする目的の検索
GoogleのAIモードが本格展開されれば、この傾向はさらに加速すると予想されます。検索クエリの半分近くはすでに指名検索だという話もあり、ノークエリの領域でLLMの存在感が増しているのは間違いありません。
この変化を踏まえると、事業の特性によって「GPTに評価されたい」「Geminiに評価されたい」という優先度が変わってくる可能性があります。ただし、現時点ではその判断材料となるデータが不足しています。
LLMでの表示状況を把握する重要性
朝礼では、自社サイトがLLMでどのように検索され、どのように表示されているかを把握する必要があるという話になりました。
Ahrefsの「AIコンテンツヘルス」機能では、GPTやGeminiでどのキーワードで検索されているか、どのような回答に表示されているかを確認できます。こうしたツールを活用して、データを見ながら対策を進めることが重要です。
「LLMでの表示状況を無料診断します」という広告も最近よく見かけます。競合他社もこうしたツールを活用し始めているため、早めにデータを取得して分析を始めることが差別化につながります。
bonの考え
今回のOpenAI「コードレッド」宣言は、GPTとGeminiの競争が新たなフェーズに入ったことを示しています。
現時点でのbonの方針は、GPT・Gemini両方への対策を継続することです。どちらか一方に絞るには、まだ判断材料が足りません。
ただし、両者に共通して言えることがあります。それは独自情報・一次情報の重要性です。GPTが独自情報を重視する傾向があるという話は社内でも出ましたが、Geminiであっても、他社にはない情報を持っているサイトが評価されやすいのは同じです。
競争が激化すること自体は、ユーザーにとってはプラスです。LLMの精度が上がり、使いやすくなります。企業側としては、その変化に対応するためにデータを取得し、分析しながら最適化を進めていくことが求められます。
bonでは引き続き、LLMの動向をウォッチしながら、実際のデータに基づいた対策を進めていきます。
引用元
記事を書いた人
株式会社bon プロデューサー
元エンジニアとしての視点を活かし、課題整理から戦略設計までを一貫して支援。
LLMOなど、新しい検索に対応したサイト設計・情報設計を研究中。
最近は健康意識で食事に気をつけてたら2キロ痩せました。











