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2025.11
Earned Media(アーンドメディア)
Earned Media(アーンドメディア)とは、企業が直接的な広告費を支払わずに、第三者によって取り上げられるメディアの総称です。メディア掲載、記事化、取材、口コミ、レビューなど、外部からの評価や言及によって獲得される露出を指します。
PESOモデル(Paid、Earned、Shared、Owned)における4つのメディアの1つであり、信頼性が高く、長期的な資産となる特徴があります。
PESOモデルにおけるEarned Mediaの位置づけ
Earned Mediaを理解する上で重要なのが、PESOモデルという考え方です。PESOモデルとは、企業が情報発信に活用できる4つのメディア(Paid、Earned、Shared、Owned)を体系化したフレームワークです。
Earned Mediaはこの中で、第三者による評価や言及を通じて信頼性を高める役割を担います。企業が自ら発信する情報よりも、外部から語られる情報のほうが信頼されやすいため、ブランド構築において非常に重要な位置づけとなります。
Earned Mediaの種類と具体例
Earned Mediaには、さまざまな種類があります。
メディア掲載・記事化 新聞、雑誌、Webメディアなどで企業やサービスが取り上げられること。ニュース記事や特集として掲載されることで、広範囲にリーチできます。
プレスリリース経由の露出 企業が発信したプレスリリースをメディアが取り上げ、記事として配信すること。新商品や新サービスの発表時に活用されます。
口コミ・レビュー ユーザーによる商品やサービスの評価。ECサイトのレビュー、SNSでの言及、ブログ記事などが該当します。
インフルエンサーによる紹介 インフルエンサーが自発的に商品やサービスを紹介すること。報酬を支払って依頼する場合はPaid Mediaですが、自発的な紹介はEarned Mediaとなります。
受賞・ランキング掲載 業界の賞を受賞したり、メディアのランキングに掲載されたりすること。権威性や専門性を示す証拠となります。
取材・インタビュー メディアからの取材依頼を受け、経営者や担当者がインタビューに応じること。企業の考え方やストーリーを深く伝えられます。
Earned Mediaのメリット・デメリット
Earned Mediaには明確なメリットとデメリットがあります。
メリット
信頼性が高いのがEarned Mediaの最大の強みです。企業が自ら発信する情報よりも、第三者が評価した情報のほうがユーザーに信頼されやすい傾向があります。
また、第三者評価として機能するため、ブランドの権威づけにつながります。「このメディアで取り上げられた」「この賞を受賞した」という事実が、企業の信頼性を高めます。
さらに、長期的な資産となる点も重要です。一度記事化されれば、その情報はWeb上に残り続け、継続的に流入やブランド認知につながります。広告のように費用を支払い続ける必要がないため、費用対効果も高いといえます。
デメリット
一方で、コントロールできないのがデメリットです。記事の内容や掲載タイミングを企業側が完全に管理することはできません。場合によっては、意図しない形で取り上げられるリスクもあります。
また、獲得の難しさも課題です。メディアに取り上げられるには、ニュース性や話題性が必要であり、すべての企業が簡単に獲得できるわけではありません。
さらに、時間がかかることも認識しておく必要があります。プレスリリースを出してもすぐに記事化されるとは限らず、Paid Mediaのような即効性は期待できません。
なぜEarned Mediaが重要なのか
Earned Mediaは、PESOモデルの中でも特に重要な位置づけにあります。その理由は、"外部証明"としての強力な効果にあります。
企業が自社サイトやSNSで「当社は優れています」と発信するよりも、第三者が「この企業は優れている」と語るほうが、圧倒的に信頼されます。この外部からの評価こそが、ブランドの信頼性を高める最も効果的な方法なのです。
特にプレスリリースを出して記事化されることは、人にとってもAIにとっても「信頼できる情報源」として評価されやすい方法です。メディアに掲載されることで、企業の存在感(プレゼンス)が高まり、「確かにそこにある企業」として認識されるようになります。
実際の事例として、ある企業が新商品をプレスリリースとして発信した結果、58のメディアに記事が掲載されました。その結果、サイトへのアクセスは27%増加し、AI経由での流入も確認されています。これは、情報が多くの場面で言及され、第三者による評価が増えたことで、プレゼンスが高まった証拠です。
Paid Media・Owned Media・Shared Mediaとの統合戦略
Earned Mediaを獲得するためには、他のメディアとの統合的な活用が不可欠です。
まず、Owned Media(自社サイトやブログ)で一次情報を整備します。企業の取り組み、実績、ストーリーなどを丁寧に発信し、「紹介される理由」を作ることが重要です。
次に、Paid Media(広告)やShared Media(SNS)で露出を増やします。広告で認知を広げたり、SNSで情報を拡散したりすることで、メディアの目に留まる機会が増えます。
そして、プレスリリースを発信することで、Earned Media(メディア掲載)につなげます。ニュース性や話題性のある情報を適切なタイミングで発信することで、記事化される可能性が高まります。
このように、各メディアが連携することで、Earned Mediaの獲得確率を高めることができます。
マーケターが押さえておくべきポイント
Earned Mediaを獲得するために、マーケターが意識すべきポイントがあります。
Earned Mediaを獲得するための準備 メディアに取り上げられるには、まず「取り上げる価値がある」と判断される必要があります。企業のブランドが明確で、ストーリーが伝わりやすい状態を作りましょう。
プレスリリースの活用法 プレスリリースは、Earned Mediaを獲得するための有効な手段です。新商品、新サービス、実績、受賞など、ニュース性のある情報を定期的に発信することで、メディアに取り上げられる機会が増えます。
紹介されやすい状態の作り方 「この会社は何をしているのか」「誰のために存在しているのか」が明確に伝わる状態を作ることが重要です。曖昧なブランドイメージでは、メディアも紹介しづらくなります。
「記者や人に言及される理由」を作る 話題性、独自性、社会性など、記者や人が「これは伝えたい」と思う要素を持つことが、Earned Media獲得の鍵となります。
AI時代におけるEarned Mediaの価値
AI検索が普及する中で、Earned Mediaの価値はさらに高まっています。
AIは回答を生成する際に、信頼できる情報源を優先的に参照します。メディアに掲載された情報や、外部サイトで言及されている企業は、AIにとっても「信頼できる情報源」として評価されやすくなります。
また、Earned Mediaはプレゼンス(存在感)を高めます。企業名やサービス名がどれだけ多くの場面で言及されているか、どんな文脈で語られているか(言及量・共起情報)は、AIが企業を評価する際の重要な要素です。
つまり、Earned Mediaが増えることで、人にもAIにも「紹介しても安心」と判断される状態を作ることができるのです。
Earned Media獲得で陥りがちな失敗と対策
Earned Media獲得では、いくつかの典型的な失敗パターンがあります。
まず、プレスリリースを出すだけで満足してしまうことです。プレスリリースを配信しても、それだけでは記事化されません。メディアが取り上げたくなるニュース性や話題性を持つことが重要です。
次に、ブランドが曖昧なまま露出を狙うことです。「何をしている会社か分からない」状態では、メディアも紹介しづらくなります。まずはブランドを明確にすることが先決です。
また、短期的な成果を求めすぎることも問題です。Earned Mediaは時間がかかる施策です。継続的に情報発信を続け、信頼を積み重ねることが成功の鍵となります。
bonでは、Earned Mediaを獲得するための土台として、ブランド作りを重視しています。「この会社は何者か」を明確にし、一貫した情報発信を続けることで、自然とメディアに取り上げられやすい状態を作ることができます。
今後のEarned Media戦略
Earned Mediaを獲得するための最も重要な要素は、ブランド作りです。
ブランドとは、ロゴやデザインのことではなく、「この会社は何をしているのか」「誰のための会社なのか」を明確に伝える土台のことです。ブランドが確立されていれば、メディアも紹介しやすく、ユーザーも記憶に残りやすくなります。
また、Earned Mediaは指名検索にもつながります。メディアで取り上げられることで企業名が記憶され、「あの会社を調べてみよう」と検索される機会が増えます。指名検索が増えることは、ブランド認知の証であり、長期的な流入資産となります。
AEOラボでは、Earned Mediaを含むPESO全体の戦略設計から、AI時代の新しいマーケティング手法まで、幅広くサポートしています。ブランドを確立し、外部からの評価を獲得する方法について、一緒に考えていきましょう。
まとめ
Earned Mediaは、第三者による評価や言及を通じて信頼性を高める、非常に重要なメディアです。企業が自ら発信する情報よりも信頼されやすく、長期的な資産として機能します。
特にプレスリリースを活用してメディアに取り上げられることは、人にもAIにも「信頼できる情報源」として評価される効果的な方法です。実際に、58メディアに掲載された結果、アクセスが27%増加した事例もあります。
Earned Mediaを獲得するためには、まずブランドを明確にし、「紹介される理由」を作ることが重要です。そして、Owned Media、Paid Media、Shared Mediaと統合的に活用することで、効果を最大化できます。
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